夏至ってどんな日?今年の夏至はいつ?
「夏に至る」という字の通り、夏至を境に本格的な夏の季節がやってきます。今回の記事では夏至とはどんな日なのか、どのような風習があるのか詳しくご紹介します。
・夏至はどんな日?
・夏至の風習・食べ物
・世界の夏至
・キャンドルナイト
夏至はどんな日?
夏至(げし)とは、二十四節気(にじゅうしせっき)の一つで、一年で最も昼の時間(日の出から日の入りまで)が長い日です。この日を境に、だんだんと日が短くなっていきます。例年6月20日から22日頃が夏至にあたり、2023年の夏至は、6月21日です。
反対に一年で最も昼の時間が短い日は冬至(とうじ)と言います。2023年の冬至は12月22日です。
夏至の風習・食べ物
冬至はかぼちゃを食べたりゆず湯に入ったりする風習がありますが、夏至の日はどのような風習があるのでしょうか?
あまり一般的に知られてはいませんが、夏至には冬瓜を食べる風習があるそうです。冬瓜は冬という字が入りますが、れっきとした夏野菜。水分を多く含んでいるため身体を冷やし、排泄作用があるため夏にはぴったりの食べ物です。
また、地域によっては様々な風習も残っていますので、その一部をご紹介します。
◆関東地方:新小麦の焼き餅
昔関東では二毛作の農家が多く、夏至の時期には新小麦が収穫されていたことから、豊作祈願として食べられていました。
◆愛知県の一部地域:無花果(いちじく)田楽
半分に切った無花果に田楽味噌をかけたものが無花果田楽です。無花果はかつて不老長寿の食べ物と言われており、田楽は豊作祈願の踊りの「田楽」に由来していることから健康祈願と豊作祈願の二つの意味が込められているそうです。
◆福井県大野市:焼き鯖
福井県大野市では夏至から数えて11日目の半夏生(はんげしょう)に焼き鯖を食べる風習があります。大野藩の殿様が暑い夏を乗り切るために配ったことが始まりとされています。
◆関西地方:タコ
関西地方では豊作を祈って、夏至から半夏生の間にタコを食べる習慣があります。
稲の根がタコの足のように、大地にしっかり根を張るようにとの願いが込められていると言われています。
◆四国地方:うどん
讃岐地方の農家では、田植えや麦刈りが終わる半夏生の頃に労をねぎらうためにうどんをふるまっていた習慣から、半夏生にうどんを食べる風習が残っています。
◆京都:水無月(みなづき)
水無月とはういろうの上に小豆を乗せて固め、三角形に切りそろえた和菓子です。京都ではこの水無月を夏至の期間である6月30日に食べる風習があります。1年の半分が経過した時に食べることで、残り半年の無病息災を祈願する意味が込められていることから、6月30日に行われます。
世界の夏至
夏至と冬至は世界共通です。海外では夏至とはどのような日なのでしょうか。その一部をご紹介します。
◆イギリスの夏至
イギリスでは、イングランド南部にある古代遺跡「ストーンヘンジ」で行われる夏至祭が有名です。紀元前2500年前に神殿として建てられたといわれているストーンヘンジ(諸説)あり)は、昔から夏至の日を祝う場所として知られています。
◆スウェーデンの夏至
スウェーデンでは、夏至を夏至祭(ミッドサマー)として盛大に祝います。日照時間の短い北欧では夏至祭はクリスマスと並ぶほどの大きなお祭りです。野の花を編み、メイポール(夏至柱)に吊り下げる花輪と頭に載せる冠を作り、木の葉や花でメイポールを飾ります。シュナップスと呼ばれるお酒を片手に食事を楽しみながら、メイポールを囲んでダンスを踊ります。白夜のスウェーデンでは真夜中まで宴が続きます。
◆フィンランドの夏至
スウェーデン同様白夜を迎えるフィンランドでも、夏至祭は重要な日です。人々は都会を離れ友人や家族と集まってパーティーをしたり、別荘に行ったり、キャンプをしたりして過ごします。夏至祭の日にはコッコという薪を燃やして焚火をする風習があり、夜になると湖畔や開けた空き地でその光景を見ることができます。
◆ブラジルの夏至
北半球が夏至を迎える日は、南半球では冬至を迎えています。南半球のブラジルでは一年で最も夜の長い冬至の時期に「フェスタジュニーナ(6月祭)」として祝います。
フェスタジュニーナはヨーロッパ各地で行われていた豊穣祈願のお祭りがブラジルに持ち込まれたのが始まり。さまざまな人種の伝統が混ざり合い、各地の音楽やダンス、料理でブラジル全土が盛り上がるお祭りです。
キャンドルナイト
また、近年では夏至は「キャンドルナイト」の日としても定着しつつあります。もともとは2001年にエネルギー政策反対のためカナダで行われた取り組みでしたが、「省エネ」や「反原発」などの政治的なメッセージを超えて、スローガンである「電気を消して、スローな夜を」それぞれに楽しもうという幅の広い趣旨が多くの賛同を呼びました。NGOを中心にした「100万人のキャンドルナイト」というイベントは、多くの企業や官庁の協賛を得て現在も各地で続けられています。
例年、東京都港区の増上寺でイベントが行われています。
まとめ
日本の夏至はあまり生活の中で意識することは少ないですが、各地で様々な風習・行事が行われています。
今年の夏至はご自宅でも電気を消して、ろうそくの光でゆっくり過ごしてみてはいかがでしょうか。